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SDM2024プロジェクト開始ワークショップを開催
2025.02.12
2025年2月6日、SATOYAMA保全支援メカニズム(SDM)事務局を務める公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)とIPSI事務局も務める国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)はSDM2024実施団体を対象とするワークショップを開催しました。本ワークショップはプロジェクトの実施、知識の共有、協力の推進を目的として開催されました。
ベナン、コロンビア、エクアドル、フィリピン、ウガンダにある5つのIPSIメンバー機関が参加し、生物多様性保全と持続可能な開発に資する革新的なアプローチについて共有しました。
ベナンおよびエクアドルでのプロジェクトでは、重要な生態系の回復と保全のための取り組みが発表されました。エクアドルでは研究と社会開発財団(FIDES)によるマングローブ、森林、沿岸、砂丘、岩塩坑を含む200ヘクタールを超える地域の保全への取り組みが共有されました。この地域では漁業、観光、塩の生産、農業により3,000人以上の人々の生活が成り立っています。Cecilia Montesdeoca氏
(FIDES)はこのプロジェクトにより地域ガバナンスの強化、管理・監視システムの確立、保全への意識向上が図られると同時に、持続可能な暮らしが確保されると説明しました。
同様に、ベナンの天然資源保全会(ONG CeSaReN)は神聖とされる5か所の森林の回復に取り組みます。これらの聖なる森林によりベナンの植物の18%が守られ、伝統的医療のための薬草が供給されています。風による倒木と山火事による劣化に直面する中、このプロジェクトでは伝統的知識を森林再生と持続可能な管理のための戦略に統合すること目指します。
カラガ州立大学 環境管理・エコガバナンス研究センター (CRÈME)はフィリピンのサゴヤシのランドスケープの活性化に取り組みます。Rowena
P. Varela 氏(CRÈME、Research
Development Innovation and Extension、副センター長)は、サゴでん粉はマノボ族の主食であり、その再生は文化遺産、炭素隔離、洪水対策、持続可能な暮らしの支援につながると強調しました。本プロジェクトでは地理情報システム(GIS)によるマッピング、生物多様性アセスメント、能力開発活動を実施し、地域社会におけるサゴヤシを基にした生産物のイノベーションを推進します。
ウガンダとコロンビアのプロジェクトにおける主要テーマは持続可能な資源利用です。ウガンダのネイチャー・アンド・ライブリフッドは乾燥地域の社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)における野生の果実の持つ商業的可能性の拡大を目指しています。SDMの先行プロジェクトを基に、William
Olupot 氏(ネイチャー・アンド・ライブリフッド)は、この新たなフェーズでは生産品の品質と市場性を向上させると同時に、森林劣化を防止するため持続可能な収穫方法の推進を目指すと述べました。
コロンビアの太平洋環境森林組合(CORFOPAL)はIPSIメンバーである合同会社秋田里山デザインと秋田の国際教養大学と連携し、持続可能なコーヒー生産のため共同監査による認証制度を試験的に始めます。Andrés Quintero Angel 氏(CORFOPAL、CEO)はこのプロジェクトによりコロンビアのSEPLsにおいて持続可能な方法で生産されたコーヒーの認証ラベルを開発・推進し、IPSIメンバーにとって生産品の振興と直接貿易の機会拡大のモデルとなり得ることを強調しました。
詳細はSATOYAMA保全支援メカニズムのウェブサイトをご覧ください。
Summary Sheet
The summary sheet for this case study is available here.