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エクアドルでのIPSI第10回定例会合において実行可能な実施計画(AIP)を採択
2026.03.18













2026年3月3~5日、エクアドルのリオバンバにあるチンボラソ県工科大学(ESPOCH)において、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ第10回定例会合(IPSI-10)が開かれました。この会議には、政策立案者、研究者、先住民および地域社会(IPLCs)、実務者が集まり、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)の持続可能な管理に関する知識の交換と協力の強化を図りました。
参加者は、前回2023年の定例会合以降の進捗を振り返り、当パートナーシップの活動を推進するための優先事項について議論しました。「IPSI戦略および行動計画2023–2030」のための「実行可能な実施計画(AIP)」の採択が本会合の主要な成果でした。これは、生物多様性の保全、気候変動へのレジリエンス、および持続可能なくらしを支援するために、IPSIメンバーが連携して行動するためのロードマップを提供するものです。採択された文書は、会議中に寄せられたフィードバックに基づく修正を経て最終化され、2026年4月に公開予定です。
この実行可能な実施計画(AIP)は、知識の生成と共有の強化、制度的枠組みと能力開発の向上、保護地域および「保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(OECMs)」を通じた保全の促進、生態系回復の推進、および持続可能なバリューチェーンの支援を含む、5つの戦略目標にわたる具体的な行動をまとめています。これらの行動には、ケーススタディを通じた知識交換の促進、先住民および地域社会の知識体系の支援、コミュニティを基にした再生と持続可能な生産活動の育成が含まれます。これらは総体として、昆明・モントリオール生物多様性枠組の実施にも寄与するものです。
全体会合での議論、プロジェクト発表、テーマ別分科会において、知識交換の強化、AIP実施支援のための資源動員によるIPSIメンバーやパートナー間の協力推進が議論されました。山岳景観における保全と持続可能なエコツーリズムをテーマとしたパブリック・フォーラムでは、生物多様性の保全と同時に先住民族および地域共同体の文化や生計の双方を支援する上でのSEPLSアプローチの重要性が強調されました。
また、参加者はチンボラソ野生生物保護区や近隣のグアノ市でのスタディツアーにも参加し、現地の景観を視察するとともに、伝統的なパン作り、ラクダ科動物(ビクーニャ等)のウール生産、コミュニティ主導のツーリズムといった文化的実践について学びました。エクアドル最高峰であり、地球の中心から最も遠い点(=太陽に最も近い地点)であるチンボラソ山を背景に行われたこれらの視察は、自然と文化の密接な結びつきを浮き彫りにしました。この山は、地域の先住民コミュニティによって「タイタ・チンボラソ(父なるチンボラソ)」として崇められています。
次回のIPSI定例会合は、2027年に日本の横浜市での開催を予定しています。IPSIメンバー間の協力、知識交換の場としてのIPSIの役割はこれからも継続し、SATOYAMAイニシアティブと世界各地のSEPLSの持続可能な管理の推進が共同で推進されていくことになります。
本会議は、国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)に設置されたIPSI事務局とともにジョージア大学(UGA)、チンボラソ県工科大学(ESPOCH)、日本の環境省(MOEJ)によって共催されました。
IPSI Members Case Studies Presented at IPSI-10
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- Experience Our “OECM” Certified Sites – by Tomoyuki Sugano, Fumiharu Forest Foundation
- Integrating Satoyama Principles into River Basin Governance: The HELP Davao Network Initiatives – by Anthony Sales, HELP Davao Network
- Landcare Tasmania Australia – by Peter Stronach, Landcare Tasmania
- Building Resilience in High Biodiversity Areas for Nature and People – by Dr. Paule Gros, BiodivEarth
- Diversity Assessment Tool for Agrobiodiversity Resilience (DATAR) – by Diana G. Lope-Alzina, Platform for Agrobiodiversity Research