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ISAPのテーマ別セッション、「30x30」生物多様性ターゲットに向けたSDMプロジェクトに焦点
2026.10.09
2026年10月5日、UNU-IASは、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)および環境省との共催により、持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP)2026のオンライン・セッションを開催しました。本セッションでは、「その他の効果的な地域ベースの保全手段(OECM)」の認定を通じ、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)がいかに生物多様性に貢献し得るかに焦点を当て、議論が行われました。
本セッションでは、生物多様性のための「30×30(サーティ・バイ・サーティ)」ターゲットの達成を支える上で地域主導で管理されるランドスケープやシースケープが持つ可能性に焦点が当てられました。昆明・モントリオール生物多様性枠組に掲げられた23のターゲットのうちの3番目にあたるこのターゲットは、2030年までに世界の陸域、内陸水域、並びに沿岸域及び海域の少なくとも30%を保全・管理することを各国に求めるものです。
セッションの冒頭、小野洋氏(IGES所長)は、気候変動、生物多様性の損失、汚染という「地球規模の三重の危機」が相互に関連していることを指摘し、相乗効果を生み出すアプローチの必要性を強調しました。同氏は、SEPLSが、多様なステークホルダーを結集させてランドスケープやシースケープを持続可能な形で管理することにより、そうした相乗効果を促進し得ると述べました。
三輪幸司氏(IGES 生物多様性と生態系サービス・ユニット リサーチ・マネージャー)は、SEPLSの持続可能な管理と活性化を支援するIPSIの資金支援メカニズムである「「里山保全支援メカニズム(SATOYAMA Development Mechanism: SDM)」について紹介しました。
IUCNのシニア・プログラム・オフィサーであるウルリカ・オーベリ氏は、このターゲット3が求めているのは、単なる保護地域の拡大にとどまらず、効果的な管理、良好な連結性、そして公平なガバナンスであると説明しました。同氏は、生物多様性の効果的かつ長期的な域内保全を実現する地域としてOECMs(その他の効果的な地域ベースの保全手段)に言及し、SEPLSのOECMs認定を目指すIPSIメンバーを支援するためにUNU-IASと共同で作成したハンドブックを紹介しました。
各プレゼンテーションでは、様々な地域的文脈におけるOECMsの認定プロセスと実施状況について検討が行われました。アンドレア・カリスパ氏(環境コンサルタント、Fundación para la Investigación y el Desarrollo Social (FIDES))は、エクアドルのポルトビエホ川河口における生態系ネットワークのOECM認定に向けた取り組みについて報告しました。この事例は、生態学的特性、土地所有権及び権利、そして既存のガバナンス体制を明確に文書化することの重要性を示しています。また、スランジャン・コディトゥワック氏(Green Movement of Sri Lanka、CEO)は、スリランカにおけるOECMs認定のための国レベルの基準および手続き策定の進捗状況を概説し、制度間の調整における継続的な課題や、明確な実施枠組みの必要性を強調しました。
林其徹氏(台湾農業部林業及自然保育署保育管理部、科長)は、生産指向の農業ランドスケープにおける保全のための知見を紹介し、ローカル・ガバナンスによって生物多様性保全と農業および消費者の選択をどのように結びつけることができるかについて述べました。水草の葉の上を歩く希少な水鳥であるレンカクの農業湿地における保護において、「レンカクに配慮した」水ハスへの需要によって農家による繁殖期の収穫方法の調整が促され、その結果、農家の収入を支えつつ、同時に生息地保全の効果が上がっていることを紹介しました。藤本泰樹氏(環境省)は、自然共生サイトの国家認証制度の創設など、30×30を推進するための日本政府の取り組みについて概説しました。その一例として、漁業資源回復を支援するためにアマモ場の再生を主導した地元漁民の取り組みを挙げました。
パネルディスカッションでは、モニタリングや資金提供を支援するために、地域社会と研究者間だけでなく、政府や企業との連携の必要性が強調されました。