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ISAP 2025において包括的解決策としての社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)について議論しました
2025.10.17
2025年10月7日、UNU‑IASは、第17回持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム (ISAP 2025)においてオンラインセッションを共催しました。これは、ランドスケープアプローチが、生物多様性の損失、水の安全保障、食糧生産、健康および気候変動を含む相互に関連した環境課題に対処するための「ネクサス・アプローチ(Nexus Approach)」とどのように整合するかを議論するものです。
このセッションでは、社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)が、IPBES(生物多様性および生態系サービスに関する政府間科学‐政策プラットフォーム)が特定したネクサス対応オプション(アグロエコロジーから権利に基づくアプローチに至るまで)に対応しうる可能性が強調されました。Satoyamaイニシアティブは、SEPLSを「人間の福利を支えつつ、同時に生物多様性を保存するよう統合的に管理された、動的なランドスケープ・シースケープ」として推進しています。
セッションの開会にあたり、武内 和彦氏(地球環境戦略研究機関(IGES)理事長)は、SEPLSが「セクター横断的に相乗効果(シナジー)を最大化し、トレードオフを最小化する」ネクサス・アプローチのモデルであると強調しました。これは2024年のネクサス評価報告書でも示された考え方です。続いて、ガーナのConservation Alliance International (CAI)から ヤウ・オセイ=オウス氏および パメラ・オウスワー氏が、持続可能な農業、女性のエンパワーメント、生物多様性保全を統合した「アテワ森林保護区(Atewa Forest Reserve)プロジェクト」を紹介しました。また、インドのヴェロール工科大学(VIT) より シヴァ・ラマムールティ氏が、カラヤン丘陵(Kalrayan Hills)における聖なる木立(sacred groves)を伝統的な生態的知識と現代の保全技術を組み合わせて再生し、薬用植物を保護しつつ地域コミュニティのレジリエンスを強化する事例を報告しました。
パネル討論では、ステークホルダーの調整や短期的経済圧力といった課題が取り上げられ、同時に包括的なガバナンスやコミュニティ・エンゲージメントといった、SEPLSをグローバルに拡大するための推進要因も議論されました。
なお、セッションの録画はIGESYouTubeチャンネルで視聴可能です。