ニュース

COMDEKSフェーズ4 セミナー開催 - 自然と調和する社会へ:地域主導のランドスケープアプローチ
2025.06.30

2025年4月22日(火)、東京において、経団連自然保護協議会と国連開発計画(UNDP)主催、及び環境省共催により「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)」に関するセミナーが開催されました。本セミナーでは、経団連自然保護基金と環境省の資金援助を受けUNDPの小規模助成プログラム(Small Grants Programme: SGP)の枠組で実施されている「SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)」第4フェーズの進捗状況が共有されました。同プログラムへの資金提供を行っている日本の民間企業関係者、生物多様性条約(CBD)事務局、SATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)、学術関係者などを含む約130名が対面およびオンラインで参加し、盛況となりました。
経団連自然保護協議会の西澤敬二会長は、開会の挨拶において、ティッピングポイントを迎えている地球環境の深刻な状況に歯止めをかけるために、「ネイチャーポジティブ」の実現に向けた具体的な行動をあらゆるステークホルダーが取る必要があること、そして優良な取り組みやその成果を世界各地へ広げていくことの重要性を強調しました。環境省の松澤裕地球環境審議官は、2011年からCOMDEKSを支援してきた環境省に加え、経団連自然保護基金がこの取り組みに参画することになったことを歓迎し、生物多様性保全の分野における官民共同出資が画期的であることを強調しました。
UNU-IASスニータ・スブラマニアン研究員(IPSI 事務局)は、COMDEKSプログラムにおいて参加型ツールとして活用されている「レジリエンス指標ツールキット」について紹介しました。このツールは、地域社会や関係者が保全活動の計画、設計、実施、モニタリングに参加することを促進するものであり、地域主導の保全活動と地球規模の生物多様性の優先事項との連携が明確に示されました。UNUIAS渡辺綱男客員研究員(IPSI 事務局)は、生物多様性保全におけるランドスケープ/シースケープ・アプローチの重要性を改めて強調し、すべてのCOMDEKS関係者の協働により、ランドスケープレベルでの成果をもたらす具体的なプロジェクト活動が今後さらに展開されることへの期待を表明しました。
本セミナーに合わせ、COMDEKSフェーズ4視察団による静岡県の里山訪問が実施されました。
SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS)について
SATOYAMAイニシアティブ推進プログラム(COMDEKS:Community Development and Knowledge Management for the SATOYAMA Initiative)は、地域コミュニティとともにランドスケープおよびシースケープにおける自然資源の持続可能な利用を促進するグローバルな取り組みであるSATOYAMAイニシアティブの旗艦プログラムとして2011年に開始され、3つのフェーズを通じて20カ国で400件を超える地域コミュニティプロジェクトを支援してきました。2022年には第4フェーズに移行し、環境省に加えて経団連自然保護基金からの支援も受けながら、15カ国で地域主導型のプロジェクトを支援、多様なランドスケープおよびシースケープにおいて生物多様性保全と持続可能な資源管理に向けた取り組みが進められています。